がんばらない④福祉クリアーズ。

前編のベトナムでの出来事はいかがでしたか?

気づきを元に、色んなことに取り組み始めます。

ではタオ新聞第4弾の始まりです。

 

 



「equality ~ベトナムの気付き part2~」

<16年前に書かれたものです。>

 

 

 


最初に質問を一つ。

 

 

自動販売機の前で立ち竦んでいる人が

いらっしゃるとします。

 

その方は目が不自由。

自販機で飲み物を買いたいのですが、

思う様に出来ません。

 

 

 

 

あなたはどうしますか?

 

 

 



恐らく大抵の人が「手を貸す」、

そう答えて下さるだろう。

しかし・・・その方法は?

どのようにするのか?

ちょっとだけ考えてみる。

 

その方の手の中に多分握られているで

あろう小銭を受け取り、

コイン投入口へポイ・・・。



飲みたいものを尋ねて、ボタンを押し、

取り出し口に落ちてきた品物を取り、渡す。

一連の作業、僅か数十秒・・・。

今日は良いことをした・・・と

満足して終わるだけであろう。

が、もう一つ。



手を貸すという意味で方法が

あることをご存じだろうか?



それはまず・・・。

その方の手を取り、その方の手を

コイン投入口まで誘導し、

自分達がいつも何気なく飲み物を

買う方法で一連の作業を一緒に行うこと。

別にその方は目が不自由なだけで

他のところはどうもない。
 

 

 

 

 

目になる。

 

 

 

 



過剰なまでの手助けをする必要はないのだ。

 

ベトナムから帰国して約一年。

福祉関係の団体で副代表を務めるまでに

なっていた柴尾稔生氏は、その活動として

温泉宅配の指揮をとることとなった。

一人暮らしのお年寄りに、年に数回の温泉宅配。



とても楽しみにしているお年寄りの

嬉しそうな顔は、物凄い山奥の道を

車で登ってきた苦労を消し飛ばして

しまうようなモノだった。

 

「あなた達はこんなところにまで

わざわざ温泉を持ってきて下さるし

・・・こんな年寄りに手紙なんて

そうそう来るわけでもないのに、

毎日毎日私の様子を見に来てくれる

郵便屋さんもいてね・・・。」



ボランティアで派遣されてきた

高校生達にお茶を出してくれながら、

お年寄りは一本の柱を指さして

言葉を続けたそうだ。



「ほら・・・あそこに私の背丈に合わせて

非常用のボタンを福祉団体の

人達が付けてくれたんだよ。

これを押すとね・・・

どなたかが来てくれるから安心して

ここで生活していけるのよ。」

 

緊急ブザー.jpg

 

 

 

 

 

 

 



・・・背丈に合わせて・・・?

 

 



彼の脳裏に何か腑に落ちないものが過ぎった。

お年寄りが何か非常事態でボタンを押す場合。

 



場所は山奥。

 


車も通れるか通れないかの瀬戸際な一本道。

地図にもそうは詳しく

描かれてないであろう住所。

お年寄りが非常用のボタンを押す時は、

大抵身体に異常を来したときであろう。

 

 

 



例えば・・・。



急に胸が苦しくなった。

バタリと身体が床に落ちる。

心臓発作か?何か?

それは分からない。

あのボタンを押したら・・・

押したら誰かがきっと来てくれるし、

病院にも連れて行ってくれる・・・

押さなければ・・・。

 

 

 

 



こんな時。

 

 

 



誰がいちいち自分の背丈ほどの

高さにあるボタンの場所に立って、

押して、また倒れるのだろうか?



それは・・・現実的に考えてあり得ない。



あり得ないはずなのに・・・

何故かボタンの天井から

延びたコードはお年寄りの

背丈に合わせて止まり、

柱にくっついている。

 

 



強烈な矛盾。



そしてそれが・・・「気付き」。

 

 

 

 



きっとこの事は彼がその前年に

ベトナムでの経験と思い・・・

「気付き」・・・

が無ければ、見落とすところ

だったかもしれない。

 



一口に「ボランティア」と言っても、

その奥はかなり深い。



ここに五原則として存在するのが

 

  1 自発

  2 無償

  3 公益

  4 先駆

  5 継続

 

 

だそうだ。

一般的にボランティアとは「=手助け」と

考える人も少なく無い。

だが、この原則にそういった意味の

言葉は一つも入っていない。



ただ、何かをやってあげる。

助けてあげる。

そうじゃない。

 

 


助けるという思いで障害者

(筆者自身はこの言葉はあまり好きではないのだが、ここでは敢えて)

に接したその時、健常者

(ここも敢えてそうさせて頂く)

は見下してしまうカタチになってしまうのだ。



それでは全然、平等ではない。



障害者も健常者も誰も・・・ただ「ヒト」という種族が

何の不自由も無く暮らしていける

世界ができあがった瞬間に

いわゆる「障害」と言われているものは

その人が放つ最高の「個性」へと変わる。



・・・そうなるまでにはかなりの時間と

労力がかかるだろう・・・と、

彼は語りながら苦笑していた。

しかし、何かを感じて何かを考えようと

している人間が一人でも

いることだけでも、

日本は救われると・・・思いたい。

 



感じて、考えて、実行したい、

その為に足りない勉強は何か・・・?

という意味で、彼は今年、大学入試に挑んだ。

 

 

 



では、あなたにとっての「福祉」とは?

 



「ヒトが生活を交えて平等になる為の手段」

 

 

 

 

 

 



平等に、と誰もが言う。それを振りかざして、

それを武器にして自分の我が

儘を押し通していくヒトもいる。

 


健常者が、障害者が・・・

この言葉自体が無くなったとき、

彼が目指しているであろう

世界の扉が開くのかもしれない。

 



最後に「福祉」の意味をここに記しておく。

『福祉〔名詞〕さいわい。(多くの人々の)幸福。』

 

 

 

 

 

 

 

お掃除ユニットクリアーズ。

道の駅 大津には様々な催し物があります。

ミスユニバース熊本ちゃんと仲良しになったり

ヨサコイ世界大会優勝チームのダンス。

今回は、ついにアイドルユニット「クリアーズ」

クリアーズ.jpg

驚いたことは、そのコンセプトの凄さ。

 

地域の清掃活動を目的とした

「ポイ捨てなんかさせないよ」

応援してくれるファンたちに

お掃除トングを手渡し、

一緒に清掃活動をする。

 

人気が出れば出るほど、

街が綺麗になるという仕組みらし。

 

 

 

ん〜回転寿司以来のナイスアイディアだ(笑)

 

 

 

 

なかなか一般の人が応援し辛さそうな

オーラはあるものの

せっかく間近でライブを観たモノとして

ビックに羽ばたいてほしいと思う。