時間の長さを感じる計算法。

先人たちの知恵を引き継いてます。

熊本1番の中心部・下通り。

ゲリラで移動式カフェを出店した時も

2Fの店から降りて、私の珈琲を飲んでくれた。

素敵なマスターの笑顔を思い出した。

 

以前、全国でも有名な珈琲の名店がありました。

私の師匠も熊本にも1件だけ美味しい

珈琲を出す店があるの〜ってのが口癖でした。

 

私も修行時代は、時間があると

その熊本市内の店に足を運んだものです。

 

マスターは熱く語られる方でした。

煙草が好きな方でした。カウンターの中で、

タバコを吹かしながら、お気に入りのマイカップに

大量の珈琲を入れ、お話をしてくださりました。

 

いつも決して難しくは語りません。

分かりやすく、優しく語って下さりました。

 

珈琲のことを習ったというよりは

人間哲学を習うことが多く

特に印象に残っているのが

時間の長さの感じる計算法。

 

 

 

 

人生の生きて来た日数を分母とすると

経験したスポットの日を分子となる。

年齢を重ねれば重ねるほど

その日の感じ方が、捉え方の印象が変わるのだ。

 

小学生の子どもが夏を感じるのは

体験した夏の数が数回目だから

毎日が長く感じるかもしれない。

 

しかし、年齢を重ね、高齢者が夏を感じるは

物心ついた年齢が5歳としても沢山経験した

夏の1回だったりもする。

 

年齢.jpg

 

マスター曰く、同じ時間なのに

感じ方が違うことで、使い方が変わる。

変わると内容が変わる。だから若い時に

時間を大切に使わないと、将来取り返しの

付かないことになるよ!って教えてくださった。

 

だからというわけじゃないけど

60歳の徹夜は出来ないだろうから

20代で徹夜を思う存分した。

同じ1日も感じ方や使い方が全然違うんだ。

 

私は1日24時間しか使えない。みんなもそうだろう。

だったら同じ時間を有効に使えるように

しないと、マスターの想いが引き継げないだろう・・・

 

マスターは沢山話してくれました。チェーン店や

手立ての出来ない珈琲店に客を取られても

お客さんに会えるのが楽しみだという。

 


 

そして、2005年、4月29日。

いつものように看板を出す前に、

カウンター内で倒れていたそうです。

死因は心臓発作。56歳でした。

その年、名店は開店30周年だったそうです。

いつものように、お客さんに会えるのを楽しみにしながら、

30年続けてきた看板出しをしようとしていた。


亡くなった時、地元新聞に大きく記載されました。

先輩マスターはカウンターの中で倒れられましたが

大好きな自分のお店で亡くなられました。

 

あの時の美味しい珈琲の味、忘れません。

 

 

 

TATEZONO.jpg

 

 

名店の名はCOFFEE TATEZONO 

立薗義博マスター。

本当に ありがとうございました。