立ち上がれ「スタンド熊本」

お金ないならアイディアで勝負?

前回の長文を読んでくださった方のためにも

後半は短めに語りたい。

 

一流のデザイン事務所に所属していたからといっても

辞めてしまえば、経歴など関係ない世界。

無名のファッションデザイナーが地元熊本に帰ってきたところで

いきなりファッションショーが出来るわけがない。

 

そこで思いついたのが

大人とのコラボレーション。

 

腕利きのヘアメイクアーティストとの接触は大きく前進に繋がる。

 

下通り、上通りに隣接するだけで熊本のリーダー

もしくは、腕がいいと評価されていること自体に

不平を抱く、熊本市の住所を持ちながら

アーケード街でない場所での営業をしておられる

腕利きの美容団体がいることを知り、そのリーダー格の方に

接触を求めた。

 

裏方でじゃんじゃん仕事をしていた私は

ショーの構成や舞台裏を身近で感じていたし

やり方ぐらいは知っていた。

丁度、ニューヨーカーによるヘアショーが日本上陸し、最先端にいた

私は美容団体のトップへヘアショーの提案をしました。

「ファッションや美容の世界を熊本から発信しませんか!」

 

勿論、23歳の若造の提案なんて聞いて貰えるはずがないと

思ったけど、当時35歳のリーダーは私を信じてくれた。

 

団体は7美容室集めた。

各店舗にスタイリストは数名ずついたはずだ。

そのスタイリストにも各常連さんのお客さんがいて

各100人ずつもいれば

3人ぐらいずつ、むちゃくちゃモデルに持って来いの「かわい子ちゃん」も

いて、今考えれば、熊本のトップかわい子ちゃんが100人ぐらい、すぐ集まった。

絶対に自分1人では集められなかっただろう。

制作点数は展示物含めて144点。

徹夜で制作に臨むこともあった。

 

そして10月待ちに待った熊本にファッションウィーク

第1回「スタンド熊本」が立ち上がり、

その専属デザイナーを私が勤めることになった。

 

スタイリスト、ヘアメイク、モデル選出。どれも申し分ない。

 

私は最後、モデル、スタイリストや関係者がステージ上に上がり

演出として未来に振り向くというもので

舞台の後ろを全員で振り向くと静かに照明は落とされた。

ショーを見に来られた方800席全部が埋まり

文字通りショーは大成功を収めた。

 

スタンド熊本は第3回まで美容団体が主導して4回目は無くなった。

しかし、その主催が熊本市に移り立ち上がったのが

皆さんもご存知な熊本コレクションだ。

 

今では中央の流れも押し寄せ

東京ガールズコレクションin熊本という形には

なったものの熊本のファッション界の最先端に携わる

ことができたことは今となれば、いい経験だったし

誇りに思う。

 

 

 

 

先日、別件で用事があり

20年ぶりに当時の主催者と電話で会談した。

55歳になったそうだ。

私も23歳が43歳になるわけだから

20年というものは「あっ」という間だ。

 

近々会う約束をした。

 

実は、花嫁を一緒に作らないか?という提案をしたのだ。

もちろん、私はデザイナーとしてドレスを担当。

ヘアメイクを依頼するもので

熊本のトップアーティストとの再会が待ち遠しい。

スタンド熊本.jpg